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眠れない夜の出来事

August 9, 2017

 

その日、これから作るものについてのアドバイスをいただいていた。私の「どんなところが難しかったですか?」という問いに、その人は言った。

「私には、編むことは癒しだから。一目一目、編み図を追わなきゃ編めない、っていうのより、編んでみたいな、って思える模様を単純な繰り返しで編んだら素敵なものが出来たっていうの、いいなって。フェアアイルも、1目(配色糸を)編んだら3目(地糸で)編んで、っていうリズムが心地よいよね。(略)」

こういう言葉は、本当に、心の底からありがたいと思う。私に足りないものを、その人の経験から教えて下さる時、かけがえのないキラキラしたものを頂いているような気がして、ただただ感動する。

 

自分は、美しいものが編みたいと思っていた。今もそう思っている。これまでは編んだものを買って頂いていたので、いかに完成度の高いものを作るかに専心していた。結果的に模様が複雑になったり、細かな作業が出てきたりもするけれど、それが苦になることはなかったのだった。

でも、そういう作品を他の人が編む時、どうなんだろう。仕事や家事で忙しい人が自分の限られた時間に編みたいものって、どんなものなんだろう。以前お教室をしていた時に、フルタイムで働いておられる方が「メリヤス編み、っていいですねえ。テレビを見たり、誰かと話したり、何かしながら編むのにぴったりで。」と言っておられたことを思い出す。忙しいからこそ、糸に触りたい。けれど、家族と話したり、他のことも楽しみたい。そういう人々のためのあみもの。今日いただいた言葉は、私の「編む」底辺をぐっと広げてくれるような気がしている。

 

布団に入って、そんなことをつらつら考えていたら、目が冴えてしまった。窓を開けて、月が雲に入ったり出たりしながら、いつまでも夜空の高い場所にいるのを、ぼんやりと眺めていた。眠くならなくたっていいじゃないの、と思えるような美しい月。何となく残しておきたい気持ちになって、スマホを手にした。

その時、何気なくタイムラインをチェックしていたら、・・・なんと、20年くらい探していたあみものの本が、古本屋さんのサイトに載っていたのだった。素晴らしいタイミングにびっくり。これを読んで勉強しなさいと言われた気がして、即決しました。古の人達が暮らしの中で編み継いできたものを見つめ、今の編み人達にフィードバックできますように。

 

 

 

 

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